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時事ニュース

従業員の性自認に配慮した職場環境の構築

男性職員から性同一性障害の診断書を示され、今後は女性通称、女性制服、女子トイレ・更衣室の利用などを認めてほしい、といわれ、そして、家裁での手続はおカネがかかるので行わないといわれた場合、どのように対応するべきでしょうか。

 

まずは、性同一性障害の診断書について本人から聴き取りをして、問題の深刻さにランクをつけるところから始めることになるでしょう。

裁判所がこれは認めるだろうというレベルの場合は、家裁の決定がないからといって、その一事で取扱いを改めないのはよくないでしょう。

 

ただ、これまで男性として勤務してきた人がいきなり女性通商、女性制服、女子トイレ、更衣室を使うというのは、かなりラジカルな要求のように思えます。使用者としては、現在の設備も踏まえてどのような対応を検討する必要があるかを考える必要があります。

 

しかしながら、会社には、職務遂行確保の利益や職場環境維持の利益があります。例えば、ラジカルに女性の姿に変わることで、取引先の不興を買うような事態となることもあり、話合いの積み重ねからいったんは内勤的な業務に異動させることも考えられます。また、トイレや更衣室については、大きなビルの場合は完全に別れていますが、資源によっては障害者用のトイレを利用してもらうなど、あまり問題にならないケースもあります。この点、一部で、男女共用のトイレを設置するなどが可能かどうかなどを検討する必要もあります。

 

いずれにせよ、この場合、あまりにラジカルと感じる場合は配転で対応するべきです。いきなりの懲戒解雇は認められません。

 

会社としては、その男性には、職場環境維持のために家裁の許可を得るべきで、筋を通すように説得し、その後会社も必要ならばバックアップするというのが望ましいのではないでしょうか。たしかに裁判では、懲戒解雇は無効とするものがありますが、いずれにせよ解雇を言い渡された場合については、現職復帰は無理です。

 

ですから、話合いを重ねていくしか方法はありません。背広から女性の服にするにしても、中性的な洋服を挟むなど、いろいろな工夫が必要だと思われます。

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