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アウティング

インターネットの掲示板でアウティングされた

家裁で性別変更をした現在は女性が、職場のインターネットの掲示板などに、戸籍の性別を変えた、性転換手術と記載されている場合、どのように対応するか。

 

性別の変更は法律上の手続ですから、名誉毀損ではありません。むしろ堂々としていないと相手の思うつぼでしょう。

 

しかしながら、過去に性別変更の審判を受けた事実は、通常であれば、だれでも公開されたくない事実にあたるプライバシーであることは明らかです。

 

したがって、本人の了解なく、公にするということは、その人の法律上保護された利益を侵害することは明らかです。

 

そこで、掲示板の運営者、掲示板が設置されているサーバーの管理運営者に対して、書込みの削除要請を行うことになります。

 

しかし、管理運営者は削除は「一見して明白に違法である場合のみ削除する」という運用をしています。

 

そして、損害賠償請求をする場合、管理運営者は、当該書込みをした端末に割り当てられたIPアドレスなど発信者情報を請求できます。

 

もっとも、開示の要件を満たしているかは、管理運営者が行うため、権利侵害が明白に認められない場合、削除要請と同じく管理運営者の判断が慎重かつ消極的にならざるを得なくなります。

 

プロバイダー責任法4条は、発信者情報開示請求において、管理提供者は、原則として書込みをした発信者に対して、発信者情報開示についての意見を求めます。この過程で発信者自ら削除する場合もあります。

 

そこで、法的な手続としては、仮処分を用いるのが一般的です。

 

まず、重大な権利侵害が認められ、管理運営者等に対する削除要求を経由することはかえって、迂遠であり、情報の拡散のおそれがあるような事案では、管理運営者等を相手方とする書込みの削除を求める仮処分が考えられます。

 

次に、プロバイダー責任法4条の発信者情報開示請求が無駄という場合は、管理運営者を相手方とする発信者情報開示を求める仮処分を裁判所に求めることになります。

 

そして、書込みをした本人を特定して徹底的に責任を追及していきます。その時点で書込みが消されていても、プライバシー侵害は一度侵害されると回復されませんので、損害賠償義務はなくなりません。

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