同性パートナーの緊急手術と同意権
アメリカの連邦最高裁のケネディ裁判官の法廷意見でも、州が違うだけで、同意できたりできなかったりするのは不合理であると指摘されていた論点です。
しかし、現実的に考えると、親族を呼んで、そのときは友人としてすますなど現実的な対応をするのも一つです。
他方、家族と仲が悪いといった特段の事情がある場合は、おそらく患者本人も同意をして欲しいと願っていると思うのです。
ところで、家族による医療同意というのは、必ずしも法的根拠が明確ではありません。ときに、パートナーに判断して欲しいと願っている患者もいるでしょう。
ゲイのカップルの場合、どうしたらよいのでしょうか。これは事前の準備をしておく必要があります。
・パートナシップ契約の公正証書
・任意後見契約の公正証書
・世田谷区などが発行しているパートナーシップ証明書
・また、公正証書には、医療同意契約を作成しておくことも考えられます。
などを示すほかはないかもしれません。
しかし、DNRといって、尊厳ある死を望まれる方と現実の生にこだわる方など哲学は様々ですから、ゲイのパートナーだからといって、異性同士の夫婦ですらやっていないことをやる必要があるのか、といった問題もあるかもしれません。委ねすぎというのはよくなく、あくまでも治療方針は患者本人が決めるべきであるということを要諦にしておく必要があります。