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セクマイと労働

職場にHIVキャリアと知られたら辞めさせられるのか。

この点、一部、警察では、このような事件が明るみになったことがありました。その中には、LGBTに対する明らかな偏見が入っていたといわざるを得ません。

 

ところで、HIVに感染したことをもって「うつるから」とか「雇えない」として解雇された場合は、直ちに弁護士や労組に相談に行くべきです。

 

そもそも、HIVは粘膜を媒介に感染するものであって空気感染する余地はありません。また、今般は、薬を飲むことによって一般的な就業は可能です。

 

このとおりで、使用者にとって、職務遂行確保の利益は何も侵害されていません。ですから解雇など許されません。

 

厚生労働省の開度ラインによりますと、HIVに感染していることをもって解雇の理由にはならないとされています。今後は、警察学校でもきちんと啓発・啓蒙活動をしていく必要があるものと考えられます。

 

さて、HIVキャリアになると、少なくとも1カ月に1回は病院に行く必要がありますし、定時に薬を飲む必要があるのです。

 

しかし、1カ月に1回程度であれば有給の範囲ですし人工透析とも変わらないともいえます。インタビューでは、会議中では、定時に薬を飲むことが難しいという指摘もあります。

たしかに薬は、一見お菓子のようにもみえますから、何のお菓子を食べたの、見せなさいということをいった裁判官もいます。薬の内容もプライバシーといわざるを得ません。

 

厚生労働省のガイドラインでは、会社に対して、職場で働いている人たちに対して正しいHIVの啓蒙を行うことをもっており、飛沫感染はしないこと、不当な差別は許されないことなどを教育すべきものとされています。したがって、上司からの嫌がらせが続くようであれば、会社、労基署、弁護士などに相談をするようにすべきでしょう。ひとりで悩まないことが大事です。

 

HIVは、糖尿病と同じく付き合う病気に変わったといわれています。きちんと治療を受けていれば、使用者からみても職務遂行の利益は確保されるわけですから、不利益な取り扱いを受ける筋合いはありません。仮に不利益や病気を悪化させるような待遇を受けた場合は、弁護士や労基署に相談をするようにしてみましょう。

 

解雇は、難しいので退職勧奨をする場合もあります。この場合は弁護士代理人を就けて、退職の意思がないことを明確にして、出処進退はすべて弁護士に任せているというようにやることがいいでしょう。キャリアの場合、再就職では、そのことは伝える必要がどうしても出てきてしまうと思います。なぜなら、エイズは、難病の一つだからです。再就職の際に、HIVキャリアであることを伝える必要がないとする書物もありますが、採用権がある会社としては、知っていたら採用しなかったということですから、トラブルになる可能性が高いと思います。少なくとも、きちんと社長クラスには伝えて自分のペースにあった働き方ができる会社を選びましょう。

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